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新成人が読んだ小説ランキングをhontoが発表

2023/01/13

 大日本印刷株式会社などが運営するハイブリッド型総合書店「honto」は、丸善、ジュンク堂書店、文教堂などhontoサービス実施店とhontoサイトで購入された書籍や電子書籍の販売データをもとに「2022年度 新成人が読んだ小説ランキング」を発表した。

 調査によると、新成人(2002年4月2日~2005年4月1日生まれ)に最も読まれた小説は『同志少女よ、敵を撃て』。独ソ戦を舞台にした小説で、憂慮される世界情勢と相まって注目が高まり2022年のベストセラーにもなった。著者の逢坂冬馬氏は、本作で第11回アガサ・クリスティー賞大賞を受賞して作家デビューを果たした期待の星であり、新成人の間でも注目される作品となった。

 トップ10には、朝井リョウ『正欲』(第2位)、住野よる『腹を割ったら血が出るだけさ』(第3位)、町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』(第7位)と、本屋大賞などで注目された作家や作品がみられた。第4位の『変な家』はホラー作家兼YouTuberとして注目を集める雨穴の作品で、作品のもととなっている動画はYouTubeに公開されており、再生数は1200万回を超えている。

 話題作が上位を占める中で、新成人ならではと言える作品も2作品ランクインした。第6位の『六人の嘘つきな大学生』は、ミステリー界で今注目の作家、浅倉秋成による就活ミステリー。話題のIT企業最終選考に残った6人の就活生が「1人の内定者を6人で決める」最終課題をめぐって繰り広げる心理戦が巧みに描かれ、そのリアルさからも新成人の間で人気となったようだ。第9位の『親愛なるあなたへ』は、ボーカロイドを使ってアーティスト活動を行うボカロP・カンザキイオリによる音楽×小説。70万回以上再生された自身によるボカロ曲「爆弾」が本作のベースとなり、小説発売にあわせてテーマソング「偶像」を発表。音楽と小説を掛け合わせた物語体験ができる新世代小説といえる。

 このほか、第5位、第10位には「日経「星新一賞」受賞作品集」がランクイン。「星新一賞」は日本経済新聞社が主催する”理系文学”をコンセプトとする短編小説の公募文学賞で、2022年で開催9回目を迎えた。なお、honto電子書籍ストアでは第1回から受賞作を無料で配信している。

「2022年度 新成人が読んだ小説ランキング」トップ10
【第1位】『同志少女よ、敵を撃て』著者:逢坂冬馬/出版社:早川書房
【第2位】『正欲』著者:朝井リョウ/出版社:新潮社
【第3位】『腹を割ったら血が出るだけさ』著者:住野よる/出版社:双葉社
【第4位】『変な家』著者:雨穴/出版社:飛鳥新社
【第5位】『日経「星新一賞」第一回受賞作品集』出版社:日本経済新聞社
【第6位】『六人の嘘つきな大学生』著者:浅倉秋成/出版社:KADOKAWA
【第7位】『52ヘルツのクジラたち』著者:町田そのこ/出版社:中央公論新社
【第8位】『赤と青とエスキース』著者:青山美智子/出版社:PHP研究所
【第9位】『親愛なるあなたへ』著者:カンザキイオリ/出版社:河出書房新社
【第10位】『日経「星新一賞」第九回受賞作品集』出版社:日本経済新聞社

参考:【PR TIMES】2023年新成人18歳~20歳に人気の小説10選!就活ミステリー『六人の嘘つきな大学生』やボカロPによる音楽×小説『親愛なるあなたへ』など、新世代の青春小説が登場! 

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