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5つの専門領域から学べる「総合心理学部」を開設 ビジネス、教育、福祉などの分野で心理学の力を発揮

2022/10/11

心理学×異分野の学びで広い視野を養い
PBLや社会連携で実践力をつける

 「現在の健康科学部心理学科は、身体と心の健康に焦点をあて医療系分野との連携を重視してきた学科でした。新学部は、さらにビジネスや教育、福祉といった多様な異分野との連携を深めることを目指し、総合心理学部として独立します。特徴としては、非常に幅広い心理学領域を扱うということ、また、各分野と結びついたときに、具体的な社会生活や経済活動の場面で、心理学的な知見の有用性を発揮できるようなカリキュラム展開を図っていきます。そのため、学部名にあえて『総合』とつけました」

 

 

 専門分野は、「臨床心理学」「社会・産業心理学」「発達・教育心理学」「行動・脳科学」「健康・福祉心理学」の5つ。1~2年次で、論理的思考や、心理学研究・社会実践の基盤となるデータサイエンスの素養をしっかりと身につけ、心理学の基礎知識や心理アセスメントなどの基本的技能を総合的に学ぶ。基礎を固めたうえで、5つの専門領域に分かれて専門性を深めていく。

 

 ユニークなのは、クロスオーバー科目としてメディアや、教育、マーケティング、プログラミング、経済など、心理学と関係が深く、実戦に活かせる他学部の専門科目を履修できる点だ。視野を広く持ち、心理学を実践に活かすという狙いの表れだろう。

 さらに、4年間を通じて、ゼミや、カウンセリング、マーケティング調査演習、インターンシップなどの実践科目を多く配置。企業や行政からの課題に対して、経済・経営・工学部の学生と互いの知識や技能を持ち寄り、協働して取り組むPBL(Project Based Learning)科目にも挑戦できる。

 たとえば、社会・産業心理学領域の「マーケティング調査演習」では、滋賀県草津市と連携した学びを展開。講義でマーケティング調査の設計・運営を学んだあと、実際に来街者へのアンケート調査を行い、集計・報告。まちづくりや駅前開発に活かされているという。

 「今後は特に、社会・産業心理学領域に力を入れていきたい」と話す柴田教授。この領域では、マーケティングや消費者行動などについて学ぶため、一般企業への就職を考えている学生の強みに直結する。データサイエンス教育とあわせて強化していく考えだ。

 「心理学の研究は、科学的・客観的データを集めて解釈するところからはじまります。こうした力は、情報化社会のなかで、情報を的確に取捨選択し、分析して行動方針を決めるうえで有効なスキルです。心理学を学ぶことは、将来どんな進路を選んだとしても、役立つ学びとなるはずです」

大学ジャーナルオンライン https://univ-journal.jp/column/2022180725/

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