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遺伝学上の「優性」「劣性」、中学生の9割が誤認識 白鴎大学が調査

2020/10/27

 白鷗大学教育学部の山野井貴浩准教授らの研究グループが遺伝学上の「優性」「劣性」という言葉について、理科の遺伝学習を終えた中学生に聞いたところ、約90%が誤って理解していることが分かった。日本遺伝学会は「優性」「劣性」の語を「顕性」「潜性」に改めることを提案しているが、研究グループは誤解がさらに広がる可能性もあるとみている。

 白鷗大学によると、「優性」は両親の交配によって雑種第一代に現れる形質、「劣性」は雑種第一代で発現を抑えられる形質を指す。調査は「優性劣性は生存の有利、不利に関係する」「集団内の頻度が高い方が優性である」といった誤った解釈がどれだけ広がっているのかを調べる目的で栃木県内の公立中学校で生徒1,000人を対象に実施した。

 その結果、約90%の生徒が誤った解釈をしていたほか、「優性劣性は生存の有利、不利に関係する」より「集団内の頻度が高い方が優性である」という誤認識の方が強く浸透している可能性があることが分かった。

 研究グループは日本遺伝学会の提案に従えば「優性劣性は生存の有利、不利に関係する」という誤認識が減少する可能性があるものの、「集団内の頻度が高い方が優性である」という誤認識が逆に広まる可能性があるとみている。

論文情報:【科学教育研究】中学生は優性劣性について誤った認識をしているのか―遺伝学習後の生徒約1000人対象の質問紙調査の結果から―

大学ジャーナルオンライン:https://univ-journal.jp/59793/

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